データ復旧という仕事は、
データの状態を解析して、どういう風に復旧するかを選択し、
データを取り戻すことが仕事ではあるのですが、
それ以上に、それぞれのお客様が持つバックボーンに注目しないと、
データ復旧ができない場合もあります。
1年前にご主人を亡くされた、札幌市内に住む30代の女性からのご依頼で、
「主人が亡くなって1年、そろそろ落ち着いてきたので
昔の写真とかを整理しているんですが、
どうしても欲しい写真が見つからない」というご依頼内容。
ご自宅にお伺いし、お話を聞くと、ご主人と旅行に行った時の写真が
探してもどこにもないとの事。
写真は生前、DVDにコピーして保管していたらしいのですが、
その中には無いようで、パスワードのかかったパソコン内に取り残されている可能性を考え、
パソコンをデータ復旧し、画像を抽出。しかし、その中にも写真は無いとのこと。
そこで、お客様の了承を得て、お部屋の中を見させていただき、
デジカメと複数枚のSDカードを発見
試しに削除された画像も含めてデータ復元をしたところ、
お客様が探していた写真を発見。
どうも、パソコンにバックアップされる前に削除していたようで、
DVDへのコピーから漏れていたようです。
依頼されたパソコンだけを復元するだけでは、絶対に見つからなかった事例で、
ただ単にデータを復元するのではなく、
それぞれのお客様の状況に応じて、データの場所を考えてあげることも
この仕事に必要だと痛感しています。