我々、データ復旧業者は物理的、データ的に壊れたものを復旧するだけではなく、

ウイルス感染したパソコンからデータを救出することもおこなっています。

時にはウイルスを駆除することでデータを救い出すこともありますが、

中には駆除自体が困難で、内部のデータ復旧だけを全力でおこなうこともあります。

その難敵の一つが身代金型ウイルス、ランサムウェアと呼ばれる脅迫ウイルスです。

 

パソコン内部のファイルを全て暗号化し、ファイルを開こうとしても

開くことができずパスワード入力画面が表示される。

しかも、パスワードが欲しければお金を払えと、

データを人質にとって身代金を要求してくるウイルスです。

多くはFBIや警察を名乗り、懲役になりたくなかったら、罰金を払えといった内容ですが、

もちろん、警察もFBIも何も関係ありません。

 

当社でも、数は多くないのですが、この身代金型ウイルスに感染し、

データ復旧の依頼があることがあります。

最近では、某土木関係企業の経理用パソコンが感染し、

会社にとって重要なデータが全てロックされ開かなくなったことがあります。

ただ・・・

この身代金型ウイルスの暗号が強力で、

暗号解読または、ハードディスク内を洗いざらい解析し、

データを正常な状態に復旧し直すといった作業が必要となるのですが、

正直申し上げると、復旧の可能性は五分五分です。

 

この企業様のケースは、お恥ずかしながらデータ復旧は失敗に終わりました。

おそらく、その損失を取り戻すにはかなりの時間と労力が費やされたと思います。

成功したケースも確かにあるのですが、感染するウイルスの種類などによって

成功確率が変わってきます。

 

多種多様な障害からデータを復旧してきた当社ですが、

この身代金型ウイルスに関しては、未だに天敵と言わざるを得ません。